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9. PC桁橋計算エクセルSoftの解説

9.2 材料の力学的な仮定


9.2.3 プレストレスは施工時には外力扱いをする

 PC鋼材に作用させる引張力は、施工時にジャッキで加えますが、その反力をどこで受けるかでプレテンション方式(pre-tensioning:プレテン)とポストテンテンション(post tensioning:ポステン)に分類します。コンクリートの硬化後(post)、反力をコンクリート桁本体で受ける施工方法がポステンです。この時点では、PC鋼材の引張力は符号を変えた圧縮力(外力扱い)としてコンクリート断面に作用させて応力を計算します。PC鋼材とコンクリートとを付着させて一体化し、ジャッキを取り去ると、PC鋼材とコンクリートそれぞれに応力が残り、内部的に釣合います。つまり部材としての内部応力です。ポステン方式ではPC鋼材の両端を固定する装置を使い、シース内部をグラウト充填して一体化を図ります。これ以降のPC鋼材は、通常の鉄筋コンクリートとしての応力分を受け持ちます。断面の応力度を計算するとき、PC鋼材の配置と断面積とを加算した合成断面を考えるのが理屈ですが、他の普通鉄筋と合わせて、桁全体をマクロに均した換算コンクリート断面で扱います。この断面の弾性係数は、鋼材のヤング率との比nで扱うのが分り易いでしょう。合成桁では通常n=7程度を取るのですが、PC桁ではコンクリートが高強度ですし、鋼材も多めに使いますので、n=6前後が使われます。
2009.12 橋梁&都市PROJECT

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