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8. RC・PCスラブ橋の計算

8.1 問題点の解説


8.1.4 変形については二通りのモデルがある

図8.2:直列バネモデルと並列バネモデル
 トラス橋の撓みを計算するときの力学モデルの扱いは、原理として、二つの場合を考えます。一つは曲げ撓みと剪断撓みとを合算します。それぞれの撓みが発現する力学モデルは、バネを独立に扱うことができる場合です。これを直列バネモデルと呼ぶことにします(図8.2)。もう一つは、例えば、重ね梁のモデルです。図8.1は、上下で骨組みを独立させた構造を描いてありますが、二つの桁全体を垂直材などで上下を繋ぐ構造が並列バネモデルになります。全体の撓み変形は上下で同じですが、剪断力を受け持つ比率が、スパン方向で変化します。これを並列バネモデルと呼ぶことにします。全体としての撓みは、上下への荷重分配効果が効いて、個別の撓みよりも小さくなります。橋の捩れ変形を考える力学モデルは、原理的に、並列バネモデルの考え方で扱います。単純捩れと曲げ捩れとが協力しますので、単純捩れ剛性が大きくなると、曲げ捩れだけを考えた場合の左右の桁への曲げ変形の分配が(1,0)分配から(1/2, 1/2)の方に寄ります。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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