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8. RC・PCスラブ橋の計算

8.1 問題点の解説


8.1.3 曲げ撓みと剪断撓みも理解しておくこと

図8.1: 曲げ変形(上)と剪断変形(下)
 単純橋の撓みの計算は、通常、曲げ変形だけで計算します。しかし、トラス橋では、実質的には曲げ変形と剪断変形とが合わさった撓みが起こります。平行弦トラス橋で、斜材の断面積が上下弦材と垂直材の断面積に較べて小さい場合を考えて下さい。このトラスの撓みは、斜材が伸縮して、パネル間の矩形が平行四辺形に変形することで起きます。これが剪断変形です(図8.1下)。実際のトラスの撓みは、曲げ変形(図8.1上)が合わさって起きます。超高層ビルは、剪断変形を主に考えますので、図8.1下を縦位置に置くモデルです。トラス橋が立体的な棒状の部材としてトルクに抵抗する原理は、トラスの上下と左右の平面トラス組みが、マクロに箱断面を構成するからです。各トラス面は、面内力に対して、それぞれ剪断力を伝え、曲げ変形分と剪断変形分とが合わさります。トラス橋の捩れは、全体を立体骨組みと仮定して変形を計算するのが正しい扱いです。しかし、マクロに均して理論的に扱うときは、曲げと捩れ、双方の剛性を持つ棒状のモデルに仮定して変形を計算します。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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