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6. 格子桁の分配係数の計算法

6.2 格子桁の解析モデルと設計モデル


6.2.2 影響面を考えること

 橋梁工学では、移動荷重の作用を影響線の形で扱います。道路面のような平面的な広がりを扱うときは曲面を構成しますので、影響面の用語を使います。注目点を多くすれば全体曲面が滑らかになりますが、解析では格点だけを注目点にして、多角形の集合で扱います。外力の作用も、格点ごとに作用する離散的な(discrete)集中荷重に換算します。このような荷重体系が作用するときの解析では、桁の方の応力と変形も格点だけで考えればよく、理論的な解析も離散的なフーリエ解析が応用できます。離散的と言うのは、連続(continuous)の反義語であって、「飛び飛び」に取り上げる意味です。連続的に考えるときは、無限に多くの注目点を対象とすることですが、実際計算では有限個数しか扱うことができませんので、残りを無視することに後ろめたさが伴います。最初から離散的に考えるときは、それに合わせた理論モデルで扱います。後の項で解説しますが、梁の変形を扱うとき、微分方程式に基づく式が連続的扱いであって、階差式(差分式)が離散的な扱いです。マトリックスを使う代数は、離散的な数値集団を扱う実用算法です。コンピュータを使うとマトリックス計算が便利にできるようになりましたので、数値計算に使う式も、従来の公式に囚われず、それに合った形にする工夫も必要になりました。 
2009.9 橋梁&都市PROJECT

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