目次ページ,  前ページ,  次ページ

6. 格子桁の分配係数の計算法

6.1 幅の広い道路橋


6.1.1 荷重の載る位置が横にも移動すること

 鉄道橋は、列車が通行する個所が、幅員方向でレール位置に固定されています。幅員も、通常、複線までです。道路橋は、道路構成の一部です。地方道では最小の2車線幅(6m)が多く見られます。道路は、車線幅の両側に幾らかの路肩幅がありますが、橋の部分で車線幅が高欄で区切られると、橋の個所で幅員が狭められたように感じることがあります。交通量が多い道路では車線数を増やし、広い歩道も敷設しますので、幅員の広い道路橋が要請されます。大都市では、戦前までは、路面電車を道路中央に通す幅員の広い橋が架けられました。このような道路橋では、下路トラス橋のように路面上側に幅を区切るようなトラス構造を避けます。したがって、次善の構造として、支間を広く取りたいときは、上路形式のアーチ橋が景観上好まれています。最も素直で経済的な上路橋が桁橋形式であって、鋼桁・RC桁・PC桁が採用されます。道路橋は、一車線単位の構造を単純に並列に並べる設計ではなく、自動車荷重が道路面の片側に偏って載る場合であっても、道路面の横方向の広がりを考えて、全体が協力する作用を考えに入れます。 
2009.9 橋梁&都市PROJECT

前ページ,  次ページ