目次ページ,  前ページ,  次ページ

5. プレートガーダーの構造

5.4 合成桁の鋼断面提案法


5.4.2 合成桁は不静定構造物であること

 合成桁として構成された提案断面の応力を計算する方法は、式の扱いを簡単にするために、幾つかの仮定値を使わなければなりません。鋼材に較べて、コンクリートの性質には不確定な要素が多いので、実際にコンクリート部分を施工するときに、設計段階の仮定値に合うように、コンクリートの品質管理と架設の工程を制御しなければなりません。合成桁は、不静定構造物の性格があって、施工の順序次第で応力分布が変ります。この大枠的な分類が、活荷重合成死活荷重合成の二つです。応力解析は、与えられた断面寸法の部材に対して、不静定構造物としての計算方法に焦点を置く見方をします。しかし、設計実務の要望としては、設計モーメントから断面寸法を提案する、逆向きの解析が必要です。前節の計算式と似た形で合成桁の断面提案法は、高島・佐藤の論文があって、極めて評価の高い方法です。合成桁の応力計算法の解説に先立って、断面提案法の実用式を紹介することにします。
2009.8 橋梁&都市PROJECT

前ページ,  次ページ