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5. プレートガーダーの構造

5.1 考え方の経緯


5.1.4 道路橋は鉄道橋よりも幅員が広いこと

 道路橋は、鉄道橋に較べれば幅員が広くなることと、床部分の鉄筋コンクリートの重量も大きいので、20m前後の支間であっても、3主桁以上を並列した上路プレートガーダーが多く架設されています。幅員が狭い道路橋で長い支間を伸ばすことは、偏心載荷に関して漠然とした不安があります。このことは橋全体の捩れ剛性と関係するのですが、力学的に明確に意識されるようになったのは、戦後、ドイツ橋梁技術に学んだ箱桁構造の採用からです。橋桁を、人が内側を通れるほどの大断面の閉じた箱型に構成することは、設計・製作・輸送・架設の全体技術に関して、考え方に革命的な変換が必要でした。しかし、この構造が採用される橋は、橋梁の全体需要から見れば小数です。道路橋では、部材の道路輸送に多くの制限がありますので、架設現場で組み立てる作業を考えて設計しなければなりません。以前は、その組み立てをリベット打ちで行っていましたが、現在はボルト締めに移行しました。溶接構造が採用されるようになって、適用支間が40mを超えるようにもなりました。しかし、現場では信頼性のある溶接作業に不安がありますので、溶接橋であっても、ボルト接合を採用するのが普通です。リベット接合は、ほぼ成熟した設計・施工技術に育っていましたので、それがボルト接合に応用されています。ただし、エクセルSoftでは、継ぎ手部分の計算を意図的に省いてあります。したがって、設計法の勉強では、リベット接合について、一通りの知識を埋めておくことが望まれます。
2009.8 橋梁&都市PROJECT

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