目次ページ,  前ページ,  次ページ

4. トラス橋計算エクセルSoftの解説

4.7 横構などの計算


4.7.3 対傾構の扱いが悩ましいこと

 中空のパイプ状に構成すると、捩れ剛性が大きい構造に構成することができます。このパイプ面は、マクロに見て板状になっていれば、捩れによる剪断応力を持たせることができます。捩れ剛性が有効に働くためには、断面形状がつぶれないような対策が必要です。これが対傾構を設ける目的です。最も効果的な対傾構は、竹に節があるように、格点ごとにX形に部材を組むことです。スルートラスでは通路を塞ぐ構造になりますので、橋門構をラーメン状に構成し、同時に上横構で受ける地震力と風荷重に耐えることを検証します。この際、高さが高く、相対的に左右トラス面間隔が狭いと、トラス全体の断面が平行四辺形状に変形するか、トラス全体が横に転倒するか、横倒れ座屈する、などの危険に対する配慮が必要になります。既設のトラス橋を現場で検分するときは、横構・対傾構の構成方法に注意します。横構・対傾構共に、計算上の応力は大きくなりませんので、中小トラス橋では山形鋼などを使うのが一般的です。応力の大小よりも、細長比の最大制限の方で部材断面寸法が決定されます。
2009.7 橋梁&都市PROJECT

前ページ,  次ページ