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4. トラス橋計算エクセルSoftの解説

4.7 横構などの計算


4.7.2 横構は一次部材並みの重要性があること

 横構は二次部材扱いをしますが、構造上は非常に重要な役目を持っています。簡単な紙箱で、蓋を取り去った状態では簡単に変形しますが、蓋をすると見違えるほど丈夫になることを実感すると思います。これは、開口部にたった一本の線材を斜めに張るだけでも済みます。トラス橋は、見かけによらず丈夫な立体構造に組み上げられていますので、仮にどれかの部材が破断しても、一挙に落橋事故に繋がる危険が少ないのです。2008年、米国で起こったゲルバートラスの落橋事故は極めて異例であって、欠陥設計の疑いがもたれるのは当然のことでした。では、既設の橋で、この立体的な安全性をどのように調査すれば判るかの研究は、未だ端緒に着いたばかりであって、これから種々のデータを蓄積しなければなりません。トラス橋全体の立体的な丈夫さは、トラス橋をマクロに見た箱構造の捩れ剛性が関係しますので、その構成要素になる横構も重要になります。
2009.7 橋梁&都市PROJECT

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