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4. トラス橋計算エクセルSoftの解説

4.7 横構などの計算


4.7.1 立体トラスに組み上げると箱構造モデルであること

 橋梁は、横から見たときの平面図形的な構造が重要ですが、平らな路面を確保するため、幅が必要ですし、全体としての高さ(厚み)を持った立体的な構成になります。トラス橋は、骨組みで立体的な構造に構成します。解析が便利になるように、幾つかのトラス面を組み合わせますが、考え方としてはダンボール紙を使って紙細工的に立体形状を構成することを想像すると良いでしょう。トラス橋は、パイプ状に通路の空間を構成しますので、左右の主トラス面の上下にもトラス面を考えます。スルートラスでは、床構造が下面形状を確保できますが、下弦材と共に考えたダブルワーレン状に組んだラテラル(下横構:lower lateral)で確実に水平力を受け持つように設計します。上横構(upper lateral)も左右上弦材を繋ぐ垂直材と共にトラス状に組みます。曲弦ワーレントラスではこのトラス面は折れ板状になりますが、計算上はこれを平らに展開して考え、剪断力だけを伝えるとして計算します。この剪断力は、トラスの端斜材を介して、支点に力を伝えます。スルートラスでは、通路を塞ぐような対傾構(sway)を組むことができませんので、端斜材を上面で繋ぐ橋門構(portal)を剛結合したラーメン構造にして変形を抑えます。つまり、トラス橋をマクロに見れば、紙箱状のモデルになります。
2009.7 橋梁&都市PROJECT

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