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3. トラスの影響線

3.2 最大最小の影響値と影響線面積


3.2.1 計算量が多くなるので活荷重をモデル化する

 影響線は、単位の集中荷重が一つだけ移動するとして求めます。鉄道橋では、この影響線を使って、蒸気機関車の複数の動輪が、どの位置に来れば最大または最小の応力になるかを探します。道路橋ではトラックの前後輪位置をどこにするかを決める必要があります。橋梁以外の、例えば建築構造物では、移動荷重を考えるまでもありませんので、静荷重についてモーメント図と剪断力図を計算するだけで済みます。橋梁の場合には、注目点の数だけの影響線を計算しますので、計算量がその数、最悪の場合には、二乗に比例して増えます。この計算労力を減らす工夫の一つが、道路橋の場合には、トラックなどの移動活荷重を、集中荷重と等分布荷重の二つにモデル化することです。道路橋では、通行する重量車の種類も多様ですし、幅員方向に載る位置も自由度がありますので、モデル化が必須です。一方、鉄道橋では、蒸気機関車の動輪から伝えられる軸重のように、具体的な荷重を、そのまま影響線の上を移動させて最大応力になる載荷位置を探します。
2009.6 橋梁&都市PROJECT

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