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3. トラスの影響線

3.1 影響線の力学


3.1.3 影響面を考えることもある

図3.4 下路トラスの荷重伝達
 鉄道橋、それも単線の鉄道橋は、列車の走行線が、橋幅方向で固定です。道路橋では、重量の大きい自動車荷重の載る位置が、幅員方向に移動する自由度があります。したがって、影響線を二方向に考えて影響面と使うことがあります。橋全体を立体的に扱うことは理想ですが、力学的な仮定が面倒ですので、実用的な計算方法が種々工夫されてきました。それを、一言で要約すると、幅員方向の横分配と言います。最も単純な仮定は、影響面の立体的な形状を、支間・幅員二方向でそれぞれ相似にします。幅員方向でさらに単純化した仮定を(1,0)分配と言います。普通のトラス橋はトラス面を左右2面で設計しますので、自動車荷重を幅員方向で片寄せた、不利な条件で一面当たりの荷重を求めます。実際のトラス構造は立体的ですので、左右均等の(1/2,1/2)分配の中間になり、その分だけ安全側で設計しています。
2009.6 橋梁&都市PROJECT

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