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2. 単純トラス橋の力学

2.1 トラス橋の構造形式


2.1.4 パネル割りは等間隔にする

 橋梁のトラスは、通路側になる下弦材の格間長を等間隔にし、床組みを支える縦桁の支間にします。この区間は、言わば小支間の桁橋の性格があります。ハウトラスとプラットトラスは、平行弦のトラス形式が普通です。高さが変化すると、支間方向で斜材の傾きが揃わなくなるからです。パネル数は、偶数にします。奇数にして、支間中央で斜材を省くかX形に組むことになるのを避けます。トラス橋の梁としての曲げモーメントは、上弦材と下弦材の軸力の対で釣合いますので、支間中央を高くするのが合理的です。したがって、曲弦トラスは、ワーレントラスに組みます。垂直材を使うワーレントラスを、等間隔で格点を切っておいて、垂直材を外した形になります。縦桁の支間(パネル間)は、元の格間長の2倍です。パネル数は、偶数でも奇数でもよいのですが、曲弦トラスの場合には奇数のパネル数にします。この理由は、支間中央の上弦格点が最高トラス高さになるからです。偶数パネルにすると、支間中央の上弦材が水平になりますので、上弦材の描く曲線形が頭を切られたように見えます。上弦材格点の橋軸方向の位置は、両隣の下弦材パネルの中間です。上弦材が大きな曲率を持つトラス橋は、素人目には外見的にアーチ橋との区別が判らないのですが、アーチ系の構造では斜材を使わないことで明確に区別することができます。また、アーチ系の構造では、上下の弦材のどちらか、または両方に曲げ剛性を持たせる設計をすることがトラス構造と決定的に異なります。
2009.5 橋梁&都市PROJECT

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