目次ページ,  前ページ,  次ページ

1. 橋梁設計の実務

1.5 応用の一例


1.5.2 床版補強工事とその効果の振動測定

 この橋梁は、経済的な設計が行われたため、死荷重を抑え、床版コンクリート厚も15cmになっていました。交通量が少ない個所ですので、全体として目だった損傷は見られませんでした。しかし、写真の右端付近のコンクリート床版が、他の個所に較べて早くに障害が見られたこと、道路橋示方書H14で照査すると、連続版部で18cm、片持版部で24cm必要であること、B活荷重相当の重量交通が走行していること、などが考慮され、平成19年度に、床版上面増厚工法によって補強が行われました。死荷重の増加を抑えるため、舗装厚5cmと床版のかぶり分1cmを切削し、この上に舗装を兼ねて鋼繊維補強コンクリートを6cm打設し、実効のコンクリート厚を20cmにしました。この補強効果を確認するため、再度、同様の簡易振動測定を行いました。その結果は、鉄筋コンクリート床版の振動性情に顕著に現れ、卓越振動数も約13Hzに上がったことが確認されました。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

前ページ,  次ページ