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1. 橋梁設計の実務

1.3. エクセルSoftのユーザインタフェース


1.3.5 はめ込みパズルに似た作業になること

 橋梁の設計計算書は、全体として一つの流れで編集しますが、部材単位の計算は章・節・項に分けます。エクセルSoftの環境は、作業性を考えて、章単位をEXCELのシート単位にまとめ、全体を一単位のブックとします。後の計算で確定するデータをその前に仮に引用することを、エクセルでは循環参照と言い、エラーの原因になります。数学的な計算のプログラミングでは、条件を設定して繰り返し計算が無限ループにならないようにします。しかし、設計は試行錯誤の過程があります。計算書では、後の計算で確定する数値であっても、繰り返し計算が無いように計算条件に仮定の数値を恣意的に決めておく方法を使います。プログラミングの技法としては、デフォルトの数値を代入しておき、結果を見て条件を書き換えます。このときに、経験のある設計者の恣意的な判断が使われます。はめ込みパズルは、複数の解答が出ないようになっていますが、設計計算では一意にデータが決まらないのが普通です。したがって、設計計算は、完全に自動化されたプログラムはできません。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

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