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1. 橋梁設計の実務

1.3. エクセルSoftのユーザインタフェース


1.3.4 計算書の作成は表計算と書式調整が目的であること

 橋梁の計算書は、公文書の性格を持たせて、用紙に印刷します。小部数の作成ですので、以前はトレーシング用紙の元原稿から青写真で複写しました。これは、墨書きの書類ほどではないにしても、比較的保存に耐えることが実証されています。電子複写装置が普及しましたが、カラー複写は、長期保存に利用する書類に使うことは避けます。電子化媒体の形で残す資料は、モニタ画面で見るだけの一過性の使い方です。標準的な橋梁の計算書は、或る程度決まった形式の原稿の要所要所に、文字や数字を書き込めば完成するようなスタイルが多く見られます。一般に、役所に種々の申請書などを提出するとき、コンピュータが無かった時代には、役所の門前に代書屋さんがいて、書類を手書きで代筆してくれました。現在では、役所側で、あらかじめ申請書のスタイルを印刷した用紙を準備していて、必要な個所だけ利用者が書き込めば済むようになりました。この書式原稿を、エクセルSoftで準備しておいて、必要な個所に、手順を追って文字や数字を書き込む方法を考えます。計算書の作成にエクセルSoftを使う提案は、この考え方に基づいています。入力が必要な個所は、設計条件などから手順を追って埋めていきます。この作業が、ユーザインタフェースを構成します。数字が変更になる個所は、手順の前の方で計算した数値を、自動的に後の処理に引き継ぐことができます。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

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