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1. 橋梁設計の実務

1.2. 再現設計計算の趣旨


1.2.5 応力度の扱いも呼び数扱いがよいこと

 「応力」は、部材内部で作用している力やモーメントのことを言います。直接測ることができない力学量ですので、応力の大きさは、理論的な解析か、実際部材の変形(歪み)などから間接的に推定します。「応力度」と言うときは、応力の大きさの程度を表す工学的な性格を持ち、単位断面積当たりの応力を言います。したがって、単位の取り方で種々の数値の顔を持ち、呼び数扱いをします。重量単位の力であることを明示する意味で、kgf/cm2, tf/cm2, tf/mm2と書くこともあります。これに代わって、平成14年度の示方書からニュートンを使うようになりました。これは学問的には正確な表現ですが、土木構造物の設計に使うには、判り難いところがあり、また、今までの設計習慣との整合性が狂います。それは、土木構造物では、重さを支える設計が基本的な考え方にあるからであって、力の方を重さに換算して理解するのが便利だからです。ニュートン単位に計算し直すと、一般的な理解を妨げます。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

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