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1. 橋梁設計の実務

1.1 設計文書の性格


1.1.2 図面と計算書とがセットであること

 一般的な建築構造物では、設計は、意匠的なデザインを重点に置く傾向があります。橋梁設計は、通行車両の重量が非常に大きいので、構造力学を踏まえた部材寸法の決定法に重点があります。設計者は、構造力学の素養を必須とし、種々の条件を満たすように寸法の提案をします。それを見て製図者が製作・架設に使う詳細設計の図面を作成します。設計者と製図者とが別人で分業する場合もありますが、小規模の設計作業では同じ人がすべてをまとめます。図面は、工場や現場で利用するため、A1版程度の大きな用紙に製図します。計算書の方はA4版の用紙にまとめます。ずっと以前、図面と同じ寸法の大きな用紙に書くことも行われました。大きな寸法の用紙は保存に不便ですので、折り方まで提案してA4版の外形になるようにします。これは、図面の製図法と関連した工業規格になっています。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

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