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12. 設計計算書の作成

12.1 レポートを手書きで作成する


12.1.6 ワープロとしてもExcelを使う

 コンピュータはアメリカ主導型で開発発展してきましたので、プログラミング言語も英語風に構成されています。英語の環境では、コンピュータを擬人化して、その人に英語風の言語で話しかけて実行してもらう、と言う使い方がされてきました。数値計算だけにコンピュータを利用する環境であれば、日本語を使うことができなくても、なんとか我慢ができます。事務処理に使うとなると、日本語の表記を工夫しなければなりません。とりわけ、人名・地名などの固有名詞は、カナ書きで幾らか対応できるとしても、ローマ字表記は全く庶民の利用から外れます。ワードプロセッサMS-Wordは、表の作成もできますが、数値計算はできません。MS-Excelに代表される表計算ソフトは、会計計算、データベースのデータ作成、統計計算などに使うツールであるとの先入観があります。数値計算に使うソフトウエアの歴史的経過を見ると、
 @ 従来の大衆的なBASIC言語の利用が不便になったこと;
 A CやC++などは専門的なプログラマ向けであること;
 B FORTRANは古典的ですが、これも一般向けのソフトとしては利用が不便になりました。それらに代わるツールとして、
 C 技術者の世界では、EXCELを使うことが隠れたブームになってきました。
 その理由は、従来の科学技術計算に使っていた数学関数を含め、豊富な組み込み関数を利用することができるようになったことです。とりわけ、次数の大きくないマトリックス行列)の計算、逆行列の計算もできることが便利になりました(次節参照)。EXCELを計算書に使うときは、途中の計算手順・その結果、を眼に見える形式で辿れることが重要です。印刷を補助する機能もそこそこに充実しています。そこで、印刷を目的として、ワープロのように使いたいとき、EXCELの特徴を生かす方法を理解しておきます。設計計算書のような技術情報は、用紙に印刷する使い方が主目的です。その書式は、他の技術書類の横書き書式と整合させるため、A4用紙を縦位置で使うように揃えます。そう計画すると、例えば、横長の数表を収めるページレイアウトを工夫しなければなりません。加えて、イラストや写真も貼り込むことを考えます。この連載の第4.4節に、設計計算書の書式作成と、数式の表示とに利用するときの例を示しました(図4.1、図4.2参照)。この応用例は、「再現設計エクセルSoft」として、インターネットで閲覧できるようにしてあります。

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