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12. 設計計算書の作成

12.1 レポートを手書きで作成する


12.1.3 図の表示方法が不適正になること

 手作業で科学技術レポートをまとめる段階では、図は、中身が読めることを意識して作成します。しかし、活版技術を使って書物や雑誌の形に編集するときは、文字並びの割り付けを調整するように写真やイラストを小さめに使うことが見られ、図の中身のデータが判らなくなることがあります。これには、原稿の作者側が注意して、見易い表現方法を工夫するように自己防衛しなければなりません。工業製図は、この作図法を規格化しています。機械製図の場合には、作図対象の寸法が大きくないこともあって、小寸法の図面も多く、科学技術レポートに使うような小寸法のイラストの作図法に応用できます。しかし、土木・建築・船舶などの専門分野では、大寸法の図面を扱うことが多く、それを雑誌の中に縮小して使うことをします。そうすると、文字や数字などのデータが読めなくて、ムード的な図として挿入することになります。第1章の西海橋の一般図(図1.3)は、その見本であると思って見直して下さい。中身のデータ詳細が判らない図は、元の図を利用できる手掛かりを紹介しなければならないのが著者側の責任ですが、これは全く機能していないのが実情です。

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