コンピュータを利用するとき、データ入力の段階で、人為的なミスが多発します。この検査をverifyと言います。無駄なように見えますが、同じ作業を独立した複数の人に作業してもらって、読み合わせでミスを見つけます。一方、コンピュータプログラムが正しく動作することを検査して保証するには、プログラムの作成者とは独立したシステム(機関)が公平に判定する試験が望まれます。この要望は、コンピュータの利用の初期段階からの問題でした。あまり知られていませんが、その一つにコンフォーマンス試験(Conformance Testing:適合性試験)があります。例えば、最も基本的なソフトウエアは、プログラミング言語です。FORTRANやCOBOLの言語仕様は、最初は私的企業が提案したものです。これが国際的に広く利用されるようになって、国際規格化ISOとして提案され、その国内規格版としてJIS化されるようになりました。これらの言語のコンパイラを作成するのも私的企業ですが、第三者機関が、仕様通りの動作を確認したとする適合性試験をして、認証を受けます。一般的な応用ソフトウエアは、種類も数も多すぎますので、認証を義務化することは殆んどできませんが、有ればよい、とするユーザ側の要望も少なくありません。科学技術の分野では、適合性試験は、主に数値計算ソフトウエアを対象とします。 |