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12. 三次元的に扱う弾性問題

12.4 コイルバネの弾性


12.4.1 捩じりを考える変形

図 12.4 コイルばねの応力
機械装置は、図12.4のようなコイルばねがよく使われます。材料の鋼丸棒に作用する応力は、荷重Pによる剪断力と、捩じりモーメントです。荷重によるバネの撓み量による仕事は、針金全長の歪みエネルギーと釣り合います。単位長さの鋼棒の歪みエネルギーは、鋼棒は、捩じりモーメントと剪断力による、いずれも剪断応力度によって内部に蓄積され、バネの変形による撓みにδに対して荷重がした仕事と等しいと置きます。
   
は鋼棒円断面の慣性モーメント、は鋼棒の断面積です。トルクと剪断力とは、どちらも断面の剪断応力度の分布に違いがありますが、独立に作用すると仮定します。螺旋を描く円の直径をD,螺旋の巻き数,材料の円断面の鋼棒直径をdとすると、バネ定数は下のように得られます。
   
 上の式で、右辺の第2項は剪断力による変形分を表しますが、小さな値になるので、通常は無視した式で紹介されています。剪断応力度の大きさは次式です。
   
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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