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8. 剪断応力度に関する特殊な問題

8.2 幅広のフランジ有効幅


8.2.2 実験事実の説明に有効幅の考えが必要になる

 航空機の機体は、容積が大きく取れる断面形にするため、軽量で剛度の大きい曲げ部材を工夫します。そうすると、薄板を補剛リブや主桁部材などで構成した、幅の広い薄板断面形が多く採用されます。この部材を曲げで破壊するまで実験すると、薄板全体ではなく、或る幅部分を有効とする断面、つまり有効幅を使って実験結果を説明するのが実践的であることが分かります。実際の使用状態は、応力が弾性範囲内に収まるようにします。これが許容応力度です。しかし、設計時には有効幅を考えて、応力の検証をしなければなりません。この理論的モデルに、前節の剪断遅れの理論が応用されます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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