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6. 部材断面内の不静定問題 |
6.4 二次元弾性体の解析問題 |
6.4.5 コンクリートの引張さ試験 |
図6.9 コンクリートの引張強さ試験法 ローラベアリングの力学モデルを考えて、鋼製の円柱を横置きにして圧縮力を伝える実験をすることを考えて下さい。荷重が大きくなると支圧面が増え、或る限度を超えれば全体として横方向に膨らむ塑性変形をします。しかし、脆性材料であるコンクリートでは、圧縮試験に使う円柱供試体を横置きにして圧縮荷重を作用させると、横方向に膨らむ塑性的な変形の余裕が無く、潰れるのではなく、縦に破断します(図6.9)。コンクリートの実用的な引張強さの試験方法は、この実験事実をもとに、赤沢常雄が1943年に提案した方法です。引張強さは、次の式で計算します。 なぜ縦の面で破断が起こるかの理論的な根拠は、第6.4.2項の最後の方で説明した性質にあります。局部的に圧縮力を受ける弾性体は、深さ方向と直角な方向に引張応力度の場が出るからです。 科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」 |
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