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5. 弾性的性質の数学モデル

5.3 線形弾性体として扱う柱と梁


5.3.4 柱と梁の応力度分布の計算仮定

 部材内部の応力度分布がどのようになっているかは、外見からは分かりません。外力が全く作用していなくても、内部で複雑に釣り合っている応力度分布が存在していることがあります。これを内部応力または残留応力と言います。これが材料を自然に変形させることがあることも、経験的に知られています。焼き入れ、溶接などの熱処理を加えた鋼材は、この変形を避けるため、焼き鈍しなどが行われます。木材なども含め、「材料をしばらく寝かせておく」と言う表現を聞きますが、時間経過と共に、内部応力などが自然に減ることを利用する経験的な方法です。材料力学を設計に応用する場合には、外力の作用によって、材料内部がどのような応力度分布になるか、の知識を主題とします。そのときの理論仮定に、次の三つの理論モデルが利用されます。どの仮定も、数学的な処理に便利なように近似させるモデルです。
1)フックの法則
2)平面保持の仮定
3)サンブナンの原理
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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