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4. 三次元的に扱う柱と梁

4.1 座標系の解釈と選択


4.1.5 対角線要素を0にするように局所座標系を決める

 二次元構造力学として梁の解析をするとき、梁断面に別の二次元の座標系を考えます。図形としての座標(X,Y)を考えるのは局所座標系ですが、図4.2の座標系と向きは整合しません。このことは臨機応変に解釈しなければなりませんので、初学者が混乱する一つの原因です。局所座標系を決めるときの考え方は、式(4.2)のマトリックスで、対角線成分が0になるようにすることを踏まえます。基本として、軸力が作用したとき、梁の曲げ変形が起きないようにするために、図形の局所座標系の原点を図形の重心にします。式(4.1)の方では、横方向の梁の曲げも扱っています。梁の断面図形が左右非対称であると、二次元の平面から逸れる曲げ変形が起きます。梁を扱う場合には、差し当たり、梁に捻じれ変形のことも考えません。このようなことを含みにして、断面図形の局所座標系の向きを扱い、それによって断面の定数をどのように計算するかの実務的な知識に繋ぎます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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