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1. 引張材と圧縮材 |
1.2 組み合わせ部材の引張りと圧縮 |
1.2.3 材料を組み合わせて一つの部材に換算する |
鉄筋コンクリートの部材は、コンクリート断面だけで構成するときの補強に、鉄筋や鉄骨を使う組み合わせ部材です。柱として使うとき、力学モデルは上の項で説明した並列構造です。鋼とコンクリートと、それぞれの断面積とヤング率とをES,EC,AS,ACとしたとき、この全体を一つの柱材料に換算する方法が実用されています。 鋼断面およびコンクリート断面で受け持つ力は、それぞれの剛性の大きさに比例します。コンクリート工学では、鋼の断面をコンクリート断面に換算する方法が使われます。 鋼材料を主材料にする合成桁の場合には、コンクリート断面の方を(1/n)倍して鋼断面に換算します。nの数値は実験的に求めるのですが、構造計算や設計計算のときの条件で種々の値が選択されます。弾性変形を考えるときは、n=7〜10が使われますが、断面設計などではn=15または、それ以上の大きな数値も採用されます。鉄筋コンクリート柱では、鉄筋がコンクリートの中に埋め込まれていますので、コンクリートの純断面積は柱全断面から鉄筋断面積を控除するのが理論的には正しいのです。しかしnの値が7以上であることと、鉄筋の使用量が多くてもコンクリート断面積の約3%程度ですので、式(1.9)を扱うとき、実務では柱の断面積すべてをコンクリート断面とした計算もします。 科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」 |
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