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4. データベース入門

4.2 ハードウエアとソフトウエアの要求事項


4.2.1 専用のコンピュータを使うのがよいこと

 大型コンピュータシステムが高価であった1960年代までは、このコンピュータを多目的に使う必要がありましたので、汎用コンピュータの呼び方が使われました。この時代、米国では、図書館でデータベースを利用するためだけに、一台の専用コンピュータを追加するように割り当てて、汎用コンピュータの負荷を軽くするようにしました。こちらをdatabase machineとして、汎用コンピュータの周辺装置に位置づけていました。贅沢なように見えますが、効率的なサービスをする方法としては正解です。データベースは、データ量が大量になる可能性がありますので、外部のディスク装置は複数とし、追加も考えます。また、セキュリティのため、バックアップも考えます。データベース専用のディスク装置にしてあると、外部の利用者がファイルを壊すことを防ぐセキュリティの方法に、ハードウエア的な読み書き禁止にすることもできます。ディスクの読み書き速度は、高速になったとは言え、CPUの演算速度に比べれば桁違いに低速です。大きなファイル単位を扱うと、待ち時間も馬鹿になりません。個人のパソコンで本格的なデータベースが扱えるようになったソフトウエアのACCESSでは、作業に使うデータは、拡張子が(.mdb)の作業用ファイル一つのを使います。しかし、その中身は複数のデータファイル、制御用データ、それに、特別なソフトウエア(マクロ)を含みます。ACCESSでこのデータベースを開くと、内部的に作業用のRAMに個別のファイルに展開しています。また、作業が済めばRAMのデータを編集してからディスクに保存します。始末が悪いことに、ACCESSのバージョン違いで、ファイルが読めない場合も起こります。単純なテキストエディタを使ってmdbファイルの中身を見ることもできません。したがって、一般の人は、データベースの扱いに挑戦することは難しいでしょう。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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