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4. データベース入門

4.1 英語用語の理解から


4.1.7 DLL

 コンピュータ処理を効率よく行わせるには、実行コードとデータとを、共にRAMに読み込んでおきます。RAMの寸法が小さければ、実行時にファイルから動的に読み込む使い方を工夫します。ビジネス関係の処理に使うCOBOLは、データをファイルから読んで処理し、別のファイルに書き出すことを主に考えていました。科学技術計算では、複雑な計算手順のプログラミングコードが大きくなる場合があります。そこで、実行コードを分割しておいて、実行時にそれを動的に読み込む方法も工夫されました。16ビットのコンピュータは、RAMのアドレス制御に65Kを単位として分割利用しなければならなかったので、オーバーレイ(overlay)と言う実行時制御をして、メモリ領域を効率よく利用する工夫をしました。この技法は、32ビットプロセッサのパソコンでは、使う必要が無くなりました。しかし、たまにしか使わない実行コードがRAMを占拠しているのはRAM資源の無駄使いですので、実行要求が発生したときに、ディスクファイルから読み込んで使う小寸法のサブルーチンが工夫されました。これをDLL(Dynamic Link Library)と言います。このオブジェクトコードは、拡張子が(.DLL)です。そのプログラムの作成者だけが詳細な仕様を知っているので、それ以外のプログラマは、使う方法が分かりません。つまりブラックボックス化です。VBAが、ソースコートの見える使い方であることとの、大きな違いです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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