目次ページ; 前のページ次のページ

F2. 活字の呼び方とその寸法

point:pt:p:ポイント
 活字の寸法を表す基礎単位である。基本的には72ポイント≒1inchであるが、長さの基準の取り方で、多少の差がある。日本では、英語圏の基準のアメリカンポイントを採用している。ディドーポイントはヨーロッパで用いられる。それぞれの寸法は下の通り。

pica:パイカ
 英文活字の大きさで、高さ12ポイントの活字を言う。この寸法を単位として、組版の横幅や、図版の寸法を示すことがある。

cicero:シセロ
 ヨーロッパで用いられる標準活字で12ディドーポイントの大きさを言う。パイカに相当する。

small pica:スモールパイカ
 欧文活字の固有の大きさを表す、英米の古い名称であって、11ポイントに相当する。ルビ(ruby)は、同じく約5.5ポイントの活字の古い名称である。

small capital:スモールキャピタル:スモールキャップ
 ローマン体、イタリック体の大文字を小型にした活字。字の寸法は、小文字とほとんど同じか、やや大きい。欧文の各書体は、大文字、小文字、数字、記号、上付き、下付き、それにスモールキャップを加えて一揃いと考える。


 日本の活字の大きさの単位。五号(10.5ポイント)を基準とし、大きい順に初号から8号まである。初号、2号、5号、7号の順に1/2寸法系列を構成している。また、1号と4号、3号と6号と8号、の組み合わせが1/2づつの寸法系列を作るが、1号、2号、3号の間に直接の寸法関係がない。


 写真植字の大きさの単位に使う。英字のQとも書くが、Quarterの略である。この理由は、1級=1/4mm=0.25mmであることから来ている。そのため、寸法計算がポイント数や号数より簡単にできる。

全角、半角など
 和文の活字は正方形が基準であって、縦組にも横組にも組める。これを全角と呼ぶ。これは相対的であって、普通の印刷物で最もよく使う活字の寸法、例えば9ポであればそれが当面の全角寸法である。全角の半分の幅を半角または2分、1/3を3分、2倍を倍角などと言う。印刷の組版は、基本的に紙の面積を活字で埋めるので、込め物などを含めて、寸法を分数や倍数で表すのが便利だからである。

em、M、エム、en、unit(ユニット)
 英字のMは、ほぼ正方形であるので、和文の全角と同じように、印刷上の寸法単位に使われる。また、英字の n が M の半分の幅であるので、en が半角に相当する単位として使われる。英字の幅はまちまちであるので、字幅の最小単位をユニット(unit)で表す。普通、em の1/32が用いられる。TeX の電子組版では、グラフィックスのドット密度を細かく表すために、1ポイント=65536 scaled point (sp)を内部単位に使用している。


前のページ次のページ