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4. 画像を含める印刷

4.4 画像情報史に編集した日本橋


4.4.4 洋式技術を取り入れた木橋の日本橋

図 4.7 明治7年(1875)に架け替えられた日本橋
 図 4.7は、小林清親(1847-1915)が描いた近代版画の日本橋です。明治14年の作です。急速な近代化の波が東京の景観を変えていました。日本橋は、未だ木橋で架けられていますが、幅員は11m(6間)、欄干は洋式になり、擬宝珠は有りません。ガス灯が点き、平らな路面を馬車と人力車が通っています。歩道と車道とを区別していますが、段差は無く、床板を抑える縦木を代用しています。この縦木構造は、現代でも、伊勢神宮の宇治橋で見ることができます。なお、画法として、欧米の透視図法(パース)を取り入れ、消点が少しずれた中心投影になっています。

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