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0. はじめに


図0.1 北斎「諸国名橋奇覧、三河の八橋の古図」
 絵画や写真などをまとめて、画像と呼びます。橋の画像データベースが、どのような画像を扱うか、扱いたいか、の紹介を目的として、最初に4点の画像を示します。工業分野では図面を扱います。文字で表した文書は、順に読んで理解しますので、一次元(線)的な情報の性格があります。文字で表した資料のデータベースに画像を加えると、多くの情報を含ませることができます。こちらは、二次元(面)的な情報だからです。しかし、人間の眼は、全体を視野に捉えていても、注意を集中するのは非常に狭い範囲です。多少の説明文を付けるとしても、画像からの情報の読み取りは、人によって、また同じ人であっても、偏りが起こります。これは画像データの利用では欠点ですが、改めて見直すと新しい情報を発見する利点もあります。
 多くの人は、橋に親しみを持ちます。また話題にもします。実物を見る機会がないとき、また実物を見た経験があっても、画像を見ると、想像が増幅されます。図0.1は、伊勢物語に記述がある三河の八橋の浮世絵です。実物がどのような橋であったかは全く分かりません。北斎が想像して描いた浮世絵です。尾形光琳も屏風絵に描いています。

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