6.4 曲げ部材の添接

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 曲げ部材の添接では、フランジは軸力を受ける部材として、また腹板は曲げ+軸力+せん断力を受ける板として別個に計算します。板は板で、また山形鋼は山形鋼で添接することを道路橋では指示しています。腹板の添接板は必ず2枚を使用して、偏心を避けます。また添接板にはモーメントプレートシアプレートとを使用すると所要のリベット数を節約できますし、組み立て作業のときにも便利になります。

 腹板の添接を断面の全強で計算しますと、リベットの使用本数が極端に多くなります。このため、添接断面で計算された曲げモーメントとせん断力とを使って設計することになっています。このとき、腹板の軸方向の応力は中立軸の付近では小さく、上下が大きいので、腹板を上中下部分に分けて、それぞれに長さの違う添接板であるモーメントプレートとシアプレートとを使います。このとき、リベット本数が不足するのを抑える意味で、縦方向には少なくとも2列以上のリベットを打つことが指示されています。

 曲げを受けるリベット群に作用するリベット荷重は、リベット群の重心を中心とした円周方向を向きますが、計算を簡単にするため、リベット荷重の向きは、中立軸に平行であると仮定して計算することが指示されています。この仮定による補正は、実用上は、リベットの許容値を腹板高さとリベット最遠距離との比で下げることで処理します。

 鉄道橋におけるリベット荷重の計算式を下に示します。

ただし;
   :  yにおける1個のリベットに作用する力
   :  添接箇所での最大せん断力
   :  接合線片側のリベットの総数
   :  腹板の抵抗曲げモーメント、
   :  桁総断面の中立軸に対する腹板の断面2次モーメント
   :  桁総断面の断面2次モーメント
  Σ2 : 接合線の片側にあるリベットの、中立軸からの距離の二乗和 
   : 中立軸から最も遠いリベットまでの距離


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