1. 序説

1.1 一般

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 リベット(rivet:英、Niet:独)とは、頭部の丸くなった釘のことで、(ビョウ)と言う字を当てます。金属に限らず木材などの組み立てにも用いられ、用途の広いものです。リベット構造と言えば常識的には鋼構造ですが、航空機などにはアルミのリベット構造もあります。リベットは、板に穴をあけ、そこにリベット軸を差し込み、両側または片側から叩いて頭の形を形成し、抜け出すことを止めます。鋼の薄板、形鋼などをリベットで結合して部材に形成した構造をリベット構造と言います。これと対比する溶接構造は、溶接で薄板、形鋼などを結合した構造ですが、現場での部材の連結にはリベットが多く使用されていました。現在では、リベットに代わってボルトが使われています。連結する場所を継ぎ手(継手)と言い、リベット継手とかボルト継手などと言います。合理的なリベット構造を設計するには、リベットおよび板に作用する力についての正しい知識と共に、リベット締めなどの作業についての常識も必要です。リベットは、軸部と板との接触によって力を伝えるように使用します。リベットは、頭部を抑えにして引っ張るような使い方をしません。リベットは、板をとめるのには役に立ちますが、締める目的にはボルトとナットとを使います。高張力ボルトを使う摩擦継手では、ボルトの軸は穴の内部で隙間を持ち、弾性変形もありますので、ボルトの軸が穴の内面で接触しないとして、接触で力を伝える作用を二義的にしか考えません。


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