1.5 配筋の設計

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 前節までの計算で求めた所要鉄筋量は理論値です。したがって、理論計算値に近くなるように鉄筋径・本数・間隔(ピッチ)を提案しなければ設計とは言えません。実用される鉄筋径は飛び飛びの寸法ですし、鉄筋配置の最小純間隔・カブリ・アキなど、構造細目上の制限[2]があります。鉄筋は呼び径で呼ばれますが、実径とは少し異なるのが普通ですし、実際の断面積も必ずしも呼び径を元に計算した値ではありませんので、カタログ数値を引用しなければなりません。これらの標準的な数値は、データとしてプログラムに組み込んであります。入手可能な鉄筋などのカタログは、鉄鋼メーカーのホームページなどで確かめることができます。

 設計作業のコンピュータ化においては、式(1)〜(8)のように代数式で与えられた性質を数値計算させるプログラミングは比較的簡単です。しかし、配筋設計のように、鉄筋直径が飛び飛びの離散的な数値データで与えられるような場合は、一意に解を提案できませんので、論理的な思考の組立てが重要です。配筋の設計では、下に示すような手順を考え、これを踏まえて会話型のプログラムに構成します。


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