1.4 梁の高さを決めて梁の幅を算定するなど

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 設計理論には学問的には種々の提案がありますが、実用的には線形の弾性理論を応用するのが主流です。その理由は、応力と変形の計算に重ね合わせの原理が保証されるからです。非線形の弾性理論を使うと、例えば、荷重が倍になれば応力も倍になるという単純な比例関係が成立しませんので、個々の荷重状態で計算を独立に計算しなければなりません。影響線を使う設計方法も使えません。コンクリート材料は、圧縮と引張とを含めた応力・ひずみの関係が折れ線の仮定になりますので、設計理論は非線形の性質があります。このことが鉄筋コンクリートの設計方法を複雑にしています。しかし、引張側のコンクリートが無いものとする条件では線形の性質が利用できます。前節の複鉄筋の設計方法も、原理としては重ね合わせの原理を踏まえて提案されたものです。

 断面設計の場合、種々の重ね合わせのテクニックを利用します。その考え方の一例を説明します。この場合、1.1節の表3の分類を参照して下さい。


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