目次ページ  前ページ

99. 終わりに

     


     

 設計・製図は、実践技術です。具体的な問題の場面に参画する機会が無いと、教養的な知識で終わります。若い技術者は、将来、管理者として図面に接することも想定されますので、興味を持たせるような教育過程があるのが望まれます。筆者はそのための教育ツールとして、コンピュータグラフィックスのソフトウエアを研究してきました。一般的なプログラミング言語であるBASICを使ったグラフィックスでは、市販のプログラミング言語を利用するようにしました。BASIC言語は、ユーザインタフェースが分かりやすいからです。市販のツールでは、Microsoft社のVisual Basic 6.0が使い易かったこともあって、これによる例題をまとめてWEB上で公開しています。URLは下記です。

「Visual Basicによるグラフィックス」
http://www.nakanihon.co.jp/gijyutsu/Shimada/vb_graphic/Index.html

図5.9と図5.10は、上記のURLで紹介した例題から引用したものです。ただし、Microsoft社では、Visual Basic のバージョンの改訂が頻繁に行われましたので、その後のバージョンでの実行確認は行っていません。

 製図は投影法を踏まえます。この数学的な原理を解説した単行本としての参考書は、下記です。インターネット時代ですのでWEB上でも閲覧できるようにしたかったのですが、出版権や著作権が絡みますので、大学内のオフライン環境で利用するHTML-Help形式のファイルを作成してあります。電子書籍の形で一般利用できるようにすることについては、現在研究中です。
島田静雄、CAD・CGのための基礎数学(インターネット時代の数学シリーズ (7)) 共立出版 2000年]

図5.4のパズルの幾何モデリングとその作図には、CAD/CAM用ツールの草分け的なソフトウエア:GEOMAPを使いました。これは、「CAD・CGのための基礎数学」に紹介してあります。最初の開発にはプログラミング言語のFORTRANを使いましたが、汎用性を考えてC++言語の版も準備しました。もともとGEOMAPはFORTRANのサブルーチンライブラリであって、ユーザは目的に合わせて自前でモデリングのプログラムを書かなければなりませんでした。これはユーザインタフェースには不便でした。それを便利にするアイディアとして、インタラクティブに動作する汎用に利用できるBASIC言語を、最初はFORTRANで、後にC++言語で作成し、GEOMAPのサブルーチンを追加のコマンドとして利用できるようにしました。このソフトウエア全体は、公表する準備はしてありますが、永続的な保守管理の方法については研究中です。GEOMAPの紹介は、WEBで公開しています。下記のURLを参照して下さい。

幾何モデリングの演習 http://www.nakanihon.co.jp/gijyutsu/Shimada/GEOMAP_Primer_J/GEOMAP_Primer_J/GeomapPrimerJ.htm
__________________________________________
(2012年1月版)
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

前ページ 目次ページ