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4. 製図教育の視点

4.4 文字寸法の知識


4.4.4 印刷文字の字体

 日本語の印刷物に使われる漢字と仮名の字体は、デザインとしては種々ありますが、大別すると明朝体ゴシック体の二つです。前者は横棒を細く、縦棒を相対的に太くした書体(スタイル)であり、線の端に装飾的なひげ(セリフ:serif)を付けることがあります。後者は線の太さが一定で、ひげのような余分を除き、全体として丸味を持たせた字体です。ローマ字またはラテン文字では、ペン書きの書体が明朝体に当たります。これを基本として、ワードプロセッサで扱うフォントは、同じデザインのフォント系列から、全体の線を太めにしたものをボールド体(bold)、さらに手書きのスタイルにするイタリック体(italic:斜体)が選べるようになっています。ただし、漢字や仮名では斜体を使うことをしません。これらの字体は、文字列の一部を目立たせることが主な目的です。その一種として、アンダーラインも使われます。機械式のタイプライタでは、アンダーライン用の活字(アンダースコア)が用意されていて、アンダーラインを引く時は、重ね打ちをしました。ワードプロセッサの場合、重ね打ちは前の文字を消して後からの文字の置き換えしかできません。そのため、グラフィックスソフトウエアとしてアンダーラインを引きます。ワードプロセッサでは、アンダーライン付きの文字は、書体違いの扱いをします。製図の場合には、アンダーラインは寸法線と同じように、別オブジェクト扱いです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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