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20. ズレを扱う幾何学

20.4 コンピュータアニメーション


20.4.1 手作業で作る動画

 映画は、人や動物の動きをコマ撮りした写真を連続的に写すことで動きを見せます。英語のmotion pictureは、その意味ですし、日本語でも動画、昔は活動写真と言いました。実物でなく、手描きの図をコマ撮りした映画をマンガ映画と言い、アニメと略しますが、英語はanimationです。コンピュータのモニタ上で見ることが普通になりました。そして、動きをコンピュータのプログラミングで制御することを数学的に工夫することから、図形の変換を扱う分野としてコンピュータグラフィックスが研究されるようになりました。コンピュータのモニタは、物理的には縦横に並んだピクセル(画素)の集合です。図形の動きや変形は、ピクセルが移動するのではなく、隣り合うピクセル単位の発色を変えていくことです。仮に、粒子の移動で行わせる平面図形的な塑性変形のモデルを考えると、何色かで色分けした図形は、色ごとに面積変化がありません。また、ある単位の領域の形が変化して、ひも状になったとしても、部分的に切断されて位置が変わることもありません。しかし、図形的に重ね合わせる思考実験ならば、鳴門巻きのような連続した渦巻き模様が得られます。変形を局部的に行わせることができますので、コンピュータのモニタで、スクリーンセーバー用画像作成に使われる例があります。
2009.8 橋梁&都市PROJECT

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