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12. 積み木モデルでの面の干渉

12.4 紙風船構造としての調整


12.4.1 紙風船単位のモデル構造を考える

 実体を持った立体的な構造を外観から見るだけのとき、中身が詰まった連続体であるのか、紙をつなげたような、殻構造であるかの区別を必要としません。外からは見えなくても、内部に空洞を持つ連続体の幾何モデルを扱うときは、空洞を表す面の接続情報が必要ですが、これは向きを反対に定義した複数の多面体モデルが内部に埋まっていると考えることにします。このような構造をモデル化するとき、言わば紙風船単位の構造が、干渉なしに入れ子関係に入り組んでいるとします。紙風船単位を代表するリストセルをCFG (closed face group)の略称を付けます。CFGセルは、紙風船単位に属する面のセルをリンクさせます。元の多面体モデルの核セルはBodyとしますが、このBodyにつながった面セルのリンクを外し、CFGを面セルの個所につなぐことで、間接的に面セルにアクセスするようなデータ構造に一時的に組み替えます。これをCFG(closed faces group)構造(紙風船構造)と言うことにします。多面体内部にある空洞は、多面体を切断すると見えるようになりますが、その切り口の図形は、穴空き面になります。このことから、CFG構造と面構造とにトポロジー的な相似があって、上節で説明した面構造の調整と同じような処理を必要とします。
2008.12 橋梁&都市PROJECT

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