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10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.4 ツリー構造の具体的な応用例


10.4.1 個別の部品をツリー構造で関連付ける

 ツリー構造(木構造または家系図family tree)を構成するために、リストセルを使うことを説明しました。それがどのように応用されるかの概念を、次ページ図10.2のロボットアームの作図を例として説明します。このモデルは、全体で9個の部品で構成されています。原理的な説明に使うため、個別の部品は、寸法を適当に変えた直方体で作成してあります。個別の部品には部品名(A1〜A9)を付けて、「スタックに登録」します。スタックは、部品ごとに代表となる「核セルへのポインタ」を登録します。この核セルから、この部品に属する「頂点・辺・面のデータを保存するリストセル」にアクセスできるようにリンク構造が構成されています。これらの部品は、土台部品(A9)からから順に、論理的なツリー構造(親子)の関連を付けます。その方法は、核セルに付属のセルをポインタでつないでおいて、そこを媒介として図10.1のような原理のポインタを保存します。図10.2のロボットアームのツリーは、土台(A9)から鎖状に繋がっている構造であって、最先端で二つ(A1,A2)の枝分かれになっている単純な木構造です。個別の部品には局所座標系が決めてあって、それを世界座標で見たときの原点位置と座標軸方向を示す単位ベクトルが保存されています。このデータは、同じく、個々の核セルに付属させたセルに保存します。モデルの移動や回転をさせるとき、頂点座標などと同じように座標変換をさせる対象です。
2008.10 橋梁&都市PROJECT

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