目次ページ  前ページ   次ページ

10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.3 幾何モデルで使うリストセル


10.3.6 スタックを出発点としてポインタをたどる

 幾何モデルの頂点・辺・領域(面)のリストセルの中身を参照するとき、セルへのポインタをすべて目次に登録するのではなく、或る基地から順にポインタを介してたどるようにしておきます。その基地がスタックです。スタックが保存するポインタは、幾何モデル中、全体を代表する管理用リストセル(核セル)にアクセスするようにします。ここを出発点として「リング状・チェーン状・ツリー状・放射状」にリストセルをポインタで関連を付けます。図10.1は、その原理を説明する図です。データを納めた個別のリストセルは、全体配列のどこにあってもよいのです。どのような探索方法を使ってデータを取り出すかのプログラミングをするとき、図10.1のような説明図を必要とします。データベースの場合には、データの中身を人が確認しますし、探索の節目に人が介在して、どの選択肢を取るかを決める方法を使うことができます。あまり自動化してしまうと、特殊な条件のデータは永久に利用できなくなることも起きます。幾何モデルのデータは、曖昧さのないデータ構造で設計し、人が判断して選択することをしませんので、リスト構造の説明はユーザレベルでは必要としません。しかし、プログラムの保守と管理には、これを詳しく内部資料として残して置かないと、後の人が困ります。学術誌では、具体的な内容を報告するのは論文として認めないことが多いので、内部資料を公開する場が殆どありませんでした。インターネットの普及は、この制限が無くなって、自由に公表できるようになりました。幾何モデルのリストセルの仕様は、プログラミングの資料として、別にまとめてあります。
2008.10 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ