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10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.2 リストの意味


10.2.3  表のデータは二次元配列を使う

 プログラミング言語では、同じ型の変数でm行、n列の表で表すデータの組は、添え字を二つ使う二次元の配列で扱います。この書式は、FORTRANやBASICではA(m,n)で表しますが、C言語はA[m][n]です。どちらも、表の形で表すデータを保存する目的に使います。コンピュータのメモリは、全体として一続き(一次元)ですので、二次元配列のデータは、行単位をつなぐか、列単位をつなぐかの約束があります。FORTRANやBAISICでは、列のデータを順につないだ内部構造です。数学は、行列(マトリックス:matrix)を扱うことが多いので、配列はマトリックスの列ベクトルの集合を表すと覚えます。一方、C言語では、文字処理が便利なように、行のデータ並びを順につなぐ内部構造を持ちます。データの寸法が小さいときは、データ並びの順番を気にするまでもないのですが、データの追加・削除・並べ替えなどを計画するときに注意しなければなりません。配列宣言をすることは、変数領域をm×n個の寸法単位でメモリ内に予約します。行数または列数のどちらかを増減してメモリの能率的な使い方を考えます。FORTRANやBASICでは、縦ベクトルの個数を変更するようにnの方を変えます。C言語では、行で増やすように、逆にmの方を適当に変えます。C言語では、配列の寸法が、実行中に足りなくなったら、動的に増やすことができる関数mallocがあります。この場合には、一次元の配列しか対象としませんので、二次元配列を使う場合であっても、一次元の成分並びの構造で扱う必要があります。
2008.10 橋梁&都市PROJECT

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