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8. 二直線の交点計算と応用

8.2 代数直線の交差判定


8.2.1 直線を表す代数式の形を標準化しておく

 眼で見て確認できる程度の平面・立体図形を扱う場合、二直線の交差判定は、直線に代えて有限長さの二線分の交差で扱いました。一般的な幾何学の課題では、無限に伸びている二直線の交差の性質を求める必要もあります。計算幾何学として見るときは、二直線の代数式から連立方程式を立てて交点座標の計算式を求めます。直線の代数式に「y=ax+b」の形を考えると、y軸に平行になるか、平行に近くなる直線は、勾配aの絶対値が大きくなって実用的な数値の範囲では表せなくなります。勾配が1より大きい場合には「x=cy+d」の形に直す、苦し紛れの解決法を提案することもあります。幾何学的に同じ直線を表す式が二通り有って、場合によって取り替える煩わしさを避けるには「ax+by+c=0」の形が便利です。この式の形は同次式ですので、幾何学的な性質を表すように、係数(a,b)がその直線の法線方向を示す単位ベクトルの成分になるように約束します。このことは、既に第2章の2.3節で説明しました。幾何言語GBASICで扱う直線の型は、このように標準化をした(a,b,c)の数の組で定義したものです。
2008.8 橋梁&都市PROJECT

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