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5. 土木工学と曲線

5.3 緩和曲線


5.3.1 鉄道線路は緩和曲線が入る

 鉄道の線路を敷設するとき、直線路からいきなり円曲線に繋ぐと、その繋ぎ目で、走行車両に衝撃的な加速度変化が働きます。乗り心地が悪くなりますが、脱線の危険も伴います。これを避けるため、円と直線との間に曲線を挟んで、曲率(半径の逆数)を滑らかに変化させます。これを緩和曲線と言います。実用的には関数曲線の接線勾配が小さい範囲の3次式を当てはめます。曲率の大きい円に接するときは、3次式の曲率とその場所に接する円の曲率との差が大きくなります。鉄道線路では、大きな曲率になる平面線形を使いません。しかし高速道路では、インターチェンジに接する道路線形は小さな円弧にまで収束しますので、より高級な緩和曲線であるクロソイド曲線を使います。ただし、この理論曲線も、曲率の小さな区間は、十分の精度で三次曲線に近似します。
2008.5 橋梁&都市PROJECT

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