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3. 図形要素間の演算

3.1 定義と宣言


3.1.2 宣言無しでいきなり変数を使う

 高級プログラミング言語は、変数名の宣言に厳格なルールを決めています。例えば、「Y=A*X+B」の代数式を使うとき、前もってA,B,X,Yの変数名が何の型であるかの宣言文が先行していなければなりません。このルールは、初心者には鬱陶しいものです。FORTRANの言語仕様は、宣言文なしに変数名が現われたとき、変数名の英字頭文字を判別し、型を決める規則を持っていました。頭文字がI, J, K, L, M, Nであれば整数型、それ以外の英字変数名は実数型と解釈します。これを暗黙の型定義と言います。8ビットのプロセッサを使うマイコン(micro computer)に組み込まれていたBASICインタプリタは、長い英字名を使いませんので、変数名の後ろに型識別の記号(!,#,$,%)を付けました。これらの約束は便利でしたので広く普及し、現在でもVisual Basicで使えます。GBASICも、プログラミング言語の厳格さを薄めて、実数型と整数型の変数は、暗黙の型定義を使えるようにしました。また、$を接尾辞に持つ変数名が文字型を表す約束も採用しました。このような約束は、全体が小さなプログラム文(2〜3百行程度)でまとめる対話型プログラム(インタプリタ)に向いています。GBASICも、数値計算と簡易な作図の道具として使うインタプリタとして設計しました。ただし、GBASICでは型が16種類もありますので、実数と整数以外の変数を使うときは型の指定が不可欠です。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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