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3. 図形要素間の演算

3.1 定義と宣言


3.1.1 定義とは何をすることか?

 一般的なプログラミング言語の参考書には、定義と宣言の言葉の使い分けを厳密に区別しない例を多く見ます。この二つは、英語のdefinitionとdeclarationの訳語に当てた漢語であって、日本語(和語)には無い概念ですので、しっかりと区別を理解しておきます。このような理解は、当面の話題から逸れる教養に属するものですが、どこかで知識の穴を埋めておかないと困ります。定義も宣言も、くだけて言えば約束を決めることです。プログラミングの場合で言うと、変数型の種類を決め、その構造を定めることが定義です。考え方としては設計図を準備することであって、まだ実体はありません。どのような種類があるかは、プログラミング言語側が準備します。ユーザまたはプログラマは、或る名前を決めて、或る型の変数として使うと決めます。これが宣言です。定義があっても、宣言をしなければメモリの中には何もありません。宣言をすると、その変数名が保存される場所が作業用メモリに準備されます。つまり実体ができます。そうであると、逆の宣言も考えることができて、使わなくなった変数名を削除し、その作業用メモリを別の変数名の場所に使うようにできます。そうすると、メモリの使い方の効率が上がります。それができなければ、同じ変数名を、プログラマの責任で別の利用目的を持たせる使い方をします。このような対応を含みにした用語が定義と宣言です。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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