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2. 図形要素の代数的表現

2.5 行列を図で表示する方法


2.5.3 変換行列は座標系の定義であること

 GBASICの変換行列は、局所座標系を表すベクトルの集合として定義してあります。或る幾何モデルがあって、そのモデル内の部分的な座標は、そのモデル固有の(局所)座標系で表すと便利です。この局所座標系は、世界座標系から見るとき、座標軸の方向を示す単位ベクトルと、原点の位置ベクトルで定義できます。モデル内の部分的な座標を世界座標で表したいとき、この座標系を表す行列を、変換行列として使います。三次元の場合、座標系を表す三つの単位ベクトルと原点位置を示すベクトルの集合です。単位ベクトル相互は互いに直交し、右手系の関係にあります。一般的な座標変換は、モデルの変形などに使いますが、そのときの座標軸を表すベクトルは、必ずしも単位ベクトルではなく、また直交性もなく、また、右手系でもない場合になります。変換行列がベクトルの集合になっていますので、投影図に描くことができます。それは、原点の位置を基点とした、座標軸方向の長さ1の線分です。単純に作図させると長さ1の線分は小さくしか表示できませんので、適当に拡大した図で判断に使います。つまり、行列を図形要素扱いができます。次ページの図2.6は、回転を行わせる変換行列Tを関数XROTで作成し、三角錐を回転させて図化したものです。行番号210で変換行列Tを30倍してありますが、これは変換行列を拡大して図形表示するためです
2008.2 橋梁&都市PROJECT

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