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2. 図形要素の代数的表現

2.1 幾何学要素の数値表現


2.1.2 右手系の直交座標系を使うこと

 まず始めに、座標系を決めます。上で説明した三角形の重心を求める文章表現には、座標系の約束がありません。図が必要になったとき、この文章を理解して描きます。コンピュータが理解するためには、文字A, B, C, P, Q, R, Gで表した点と、文字a, b, c, l, m, nで表した線分を、座標系を使って数値で表します。最初に与えるデータは3頂点A, B, Cの座標であって、残りはすべて数値計算で求めます。図があると説明が分かり易くなりますが、図は必ずしも必要ではありません。計算結果を元に図形を描かせるのは、コンピュータ側から見れば外部装置です。装置ではなく、計算結果を元に人が描く場合もあります。途中経過を含め、全体を図に描いた方が理解し易くなります。そうなると、三角形を考えている世界座標系と、図に表す作図装置の座標系とで考え方に違いがあると、寸法だけでなく、左右・上下・奥行きで向きの異なった図が得られます。この混乱を避けるため、計算幾何学ではすべてデカルト座標系で考えることにします。図に表すときは、作図装置の座標系を使う妥協を強いられることがありますが、そのときには、ソフトウェア的なデバイスドライバを介して座標変換をさせるようにして、座標系の相違を吸収させます。
2008.2 橋梁&都市PROJECT

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