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6. 文書の作成技術

6.6 組み版言語


6.6.1 編集用の記号文字付きの文書を使う

 コンピュータ用語で"hyper"を接頭辞に使うhyper-text (HT)が造語されたのは1965年頃です。日本語に訳し難いのですが、「超」の字を付ける感覚の用語です。野口悠紀夫(1940-)が造語した超整理法があります。コンピュータを利用し、通信回線を介して文書情報を遣り取りするとき、特別な構造のテキストを使うことから造語されました。これは、原稿の文字テキスト(plaintextと言います)に、編集記述言語(ML)を組みこんでありますので、HTML文書と言うようになりました。これに先立って国際標準化機構(ISO)は、編集記述言語の構想をまとめて1986年に規格を発表したものがSGML (Standard Generalized Markup Language)です。HTMLは、この実用版です。これと考え方は同じですが、Donald Knuth(1938-)が開発したTex(1978年頃)、それを発展させたLaTexは、数式の版組みを特に指向した編集記述言語です。HTMLの方は、数式を扱うことができません。MS-Wordには数式を、特別な言語形式ではなく、グラフィックスイメージで作成して挿入する数式エディタがあります。筆者の場合、数式はグラフィックスイメージとして作成したものをHTML文書に貼りこむようにしています。したがって、テキスト部分のフォントとの整合性が悪く、統一した体裁が得られません。より上位のバージョンがXHTMLです。Xはextended(拡張の意味)です。こちらは単純な数式も編集できることになっていますが、まだ一般的ではありません。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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